研究室概要

微生物は、ほとんどすべての生物と共生や寄生などの複雑な関係を築いています。このような関係においては、特定の生物機能を担う分子が両者の相互作用に関与しており、その分子機構の解明は、新たな機能性分子の開発に向けた基礎となります。当研究室では、細菌、ウイルス、バクテリオファージ(細菌に感染するウイルス)などを対象として、生物機能を制御する分子の探索・創製を行い、それらをワクチンや抗アレルギー剤などの医薬品、あるいは機能性食品として応用するための研究を進めています。

微生物から分離した生物機能制御分子の探索・創成

微生物が産生する分子の中には、宿主の受容体やシグナル分子の働きを制御し、生体機能を調節するものが多数存在します。当研究室では、腸内細菌などの共生細菌や、酢酸菌・乳酸菌などの食品微生物を対象に、宿主の免疫系を調節する微生物由来分子を分離し、有機化学・生物化学・免疫学・微生物学的手法を用いてその構造や作用機序を解明することで、新たな機能性分子の創成を目指しています。

培養中の酢酸菌(左)とその免疫機能性分子の化学構造(右)

免疫機能を制御する医薬品・機能性食品の開発

近年、新たな感染症の蔓延や免疫機能の異常に起因する疾患の増加が問題となっており、安全かつ持続的に免疫系を調節できる手段が求められています。当研究室では、バクテリオファージや細菌が産生するタンパク質・小胞構造体に着目し、それらの構造と機能を分子生物学的・生物工学的手法により解析・分子設計・最適化することで、免疫バランスを整える医薬品や機能性食品の開発に取り組み、健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。

細菌由来構造体(左)およびバクテリオファージ(右)の電子顕微鏡写真

連絡先

講師 橋本 雅仁(はしもと まさひと)
職名 教授
電話番号 099-285-7742
E-mail hassy[at]eng.kagoshima-u.ac.jp
(※[at]を@に置き換えて下さい。)
研究キーワード 天然物有機化学、免疫学、細菌学
講師 橋口 周平(はしぐち しゅうへい)
職名 助教
電話番号 099-285-8347
E-mail hashiguchi-s[at]cb.kagoshima-u.ac.jp
(※[at]を@に置き換えて下さい。)
研究キーワード 免疫工学

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