研究室概要
私たちのからだの中では、核酸・タンパク質・糖鎖・脂質などの有機分子が互いに影響し合いながら、生命活動を支えています。これらの有機分子の機能を明らかにすることは、生命活動の理解を深めるだけでなく、新たな医薬品の開発にも繋がります。私たちの研究室では、生体分子の中でも「糖鎖」に注目しています。糖鎖は、すべての細胞表面に存在し、細胞同士の情報伝達や免疫反応、さらにはウイルスや細菌の感染にも深く関わっています。私たちは、この糖鎖の未知の機能を明らかにし、その働きを活用した薬物送達システムの開発に取り組んでいます。このシステムを使用して、新たなワクチンアジュバント(免疫増強剤)や免疫治療薬の創出を目指しています。

糖鎖を利用したドラッグデリバリーシステムの開発
糖鎖は、細胞の種類を見分けたり、細菌やウイルスの感染に関わったりと、細胞の“顔”として働いています。私たちは、この糖鎖の機能を応用した薬物送達システムの開発に取り組んでいます。特に、免疫細胞をターゲットに、アジュバント分子(免疫増強剤)を免疫細胞へ選択的に届けることで、その安全性と薬物活性を高める技術の開発を進めています。
がん免疫療法・感染症ワクチンの開発
アジュバントは、免疫の働きを強める物質(免疫増強剤)の総称です。ワクチンに含まれる「抗原」だけでは十分な免疫反応が得られないことが多く、その効果を高めるために使われます。さらに近年は、免疫の働きを調節することで、がんやアレルギーを治療する「免疫療法」にも活用されるようになり、応用範囲が広がっています。私たちは、糖鎖を利用した薬物送達システムを用いて独自に開発した糖鎖アジュバントを、がん免疫療法や感染症ワクチンに応用する研究を進めています。
概要
講師 | 若尾 雅広(わかお まさひろ) |
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職名 | 助教 |
電話番号 | 099-285-7843 |
wakao[at]eng.kagoshima-u.ac.jp (※[at]を@に置き換えて下さい。) |
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研究キーワード | 有機合成、糖科学 |
講師 | 新地 浩之(しんち ひろゆき) |
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職名 | 助教 |
電話番号 | 099-285-7843 |
hshinchi[at]eng.kagoshima-u.ac.jp (※[at]を@に置き換えて下さい。) |
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研究キーワード | 糖鎖工学、ナノ粒子 |