研究室希望者へ
○生命有機化学研究室で学べること
生命有機化学とは、生物が生きるために必要な現象 (生命現象) を、有機化学的知見をもとに精密に解明する研究分野です。
私たちの体の中では、さまざまな有機分子 (生体分子) が互いに作用して、生体機能が維持されています。これらの有機分子の機能解明は、生命現象の理解だけでなく、新たな医薬品の創出にもつながります。
生命有機化学研究室では、生体分子の中でも糖鎖に着目し、糖鎖の分子レベルでの機能解明や糖鎖の機能を利用した医薬品開発 (ワクチンアジュバントや免疫治療薬) を行っています。
生命有機化学研究室では、研究活動を通して、社会人に必要な能力を養成することを基本方針としています (詳細は下記を参考にしてください)。就職活動のために研究するのではないことを理解してください。
研究のプロフェッショナルを養成することを目標としています。
学生時代は、自由な発想のもとに時間を気にせず研究ができる、人生の中でも非常に貴重な期間です。この期間を最大限に活用し、創造的かつ自主的に研究に取り組むことを推奨しています。
当研究室では、学会や研究交流会等でも積極的に成果発表をするようにしています。これにより、異なる視点や最新の研究動向に触れることで、学生たちの視野を広げ、研究の質を高めることができます。
また、研究を通じて科学の最前線に立つとともに、社会に貢献するためのスキルを身につけることができます。新しい発見や知識の創出に挑戦したい方、そして将来の医療や科学技術の発展に貢献したい方をお待ちしています。
○生命有機化学研究室の心得
生命有機化学研究室では、以下の心得を守れる人を求めています。
一、失敗も成功も含めて研究を楽しむ!
研究とは、これまでに世界で誰も行ったことのない新規なものです。実験内容が決められた学生実験とは異なり、未知の研究を始めるとうまくいかないことがほとんどです。失敗も成功も含めて研究なので、これらを楽しむ心を持ってください。
一、自分が大人であり、学生であることに甘えない!
研究室は実験するためだけの場所ではなく、社会に出るためのトレーニングの場でもあります。研究室のルール以前に、社会のルールがあることを自覚してください。集合時間や締切を守る。報告・連絡・相談を密にする。社会人として当たり前のことを当たり前にできるようになりましょう。
一、研究はチームプレーであることを自覚する!
他大学 (他研究室) との共同研究プロジェクトや研究室内の管理・運営業務に積極的に協力しましょう。卒業した先輩方の成果も含めて、研究成果を挙げるためには、多くの人が関わっていることを理解しましょう。
一、自分の研究以外のことにも幅広く興味を持つ!
自分が使わない分析機器やメンバーの研究内容、研究室が関与している全般的なことに対しても興味・知識を持ちましょう。それが、研究に関するアイデアを出すためのヒントにもなります。
○研究を通じて学ぶこと
工学部では、ひとりひとりの学生が自ら向上心をもって主体的に学修し、困難に立ち向かう「自主自律と進取の精神を有する学士 (工学)」の育成を目指しています。 企業では、『確実な基礎学力』『論理的思考力』『協調性・コミュニケーション力』『創造性・デザイン力』などが求められます。 生命有機化学研究室では、研究活動を通じて自主自律と進取の精神を有する学生を育成し、社会人(研究者)として必要な能力を養成します。
<基礎学力>
研究テーマに関する周辺知識や実験手法の原理原則を学ぶことで、基礎知識の向上を図る(学生主体の勉強会を毎週行っている)。
文献調査や学会・セミナー等を通じて、過去の研究の流れや最新の研究の動向を把握し、専門性を高める。
<論理的思考力>
研究を遂行する上で、特に必要なスキル。また、どんな職業でも仕事を進める上で重要なスキル。
あらかじめ結果を予想して実験を行い、得られた結果を論理的・客観的に考察し、次の課題を検討する。これらを繰り返すことで、論理的思考力を鍛える。
研究の実施時には、成功することもあれば、失敗することもある。むしろ失敗したときに、論理的に原因を追及できなれば研究は進まない。
<協調性>
研究室での集団行動やグループでの研究活動を通じて、他者と協調してプロジェクトを成し遂げるトレーニングをする。
<コミュニケーション力>
実験結果や計画に関して、積極的に他者と議論し、意見をすりあわせることで、協調性やコミュニケーション力を身に付ける。
プレゼンテーションスキルや文章力など、相手に分かりやすく説明するスキルもコミュニケーション力と考える。
研究成果発表などにおいても、聴衆を魅了するためには筋道を立てて説明する必要がある。
ゼミや学会での発表、日々のミーティング等を通じて、論理的に分かりやすく説明するためのトレーニングをする。
<創造性・デザイン力>
自由な発想で、成功へと導く課程を考案し、創造性の向上を図る。また、得られた知見をもとに、新たな研究を自主的にデザインできるようになる。基礎学力が必要。
○各学年の到達目標
<学部4年生 (B4)>
1.研究テーマの技術的・社会的背景を理解する
2.実験手法の原理・原則を理解して、指示された実験を的確にこなすことができる
3.実験結果を論理的に考察して、卒業論文・プレゼンテーションにまとめて発表できる
<修士1年生 (M1)>
1.実験手法の原理・原則を理解して、後輩学生に実験手法を指導できる
2.指示された実験に対して、適切に条件を設定して、結果を論理的に考察できる
3.自らキーワードを設定して、文献調査ができる
<修士2年生 (M2)>
1.与えられた研究テーマの技術的・社会的背景を理解し、仮説を証明するための実験内容を適切に設定できる
2.論文を読んで内容を理解し、自身の研究に関するユニークなアイデアを出せる
3.実験結果を論理的に考察して、発表 (プレゼンテーション・文章にまとめることが) できる
○卒業・修了生の進路(2021年度以前は旧隅田研究室の実績)
2024年度
<修士卒>
沢井製薬(株)・富士フイルム和光純薬(株)・富士フイルム富山化学(株)・セントラル硝子(株)・第一三共(株)・(株)新日本科学・佐賀大学大学院理工学研究科博士後期課程進学
2023年度
<修士卒>
持田製薬工場(株)・東洋紡(株)・小川香料(株)・関東化学(株)・(一社)日本血液製剤機構・サミー(株)・鹿児島大学大学院理工学研究科博士後期課程進学
2022年度
<修士卒>
協和発酵バイオ(株)・KMバイオロジクス(株)・(株)テクノプロ・(株)新日本科学・第一三共バイオテック(株)・第一三共ケミカルファーマ(株)・田辺三菱製薬工場(株)
<学士卒>
保険会社
2021年度
<修士卒>
生化学工業(株)・第一三共バイオテック(株)・(株)井上香料製造所・一般社団法人日本血液製剤機構・富士レビオ(株)
<学士卒>
出水市役所・(株)ストライプインターナショナル
2020年度
<修士卒>
小野薬品工業(株)・川澄化学工業(株)・KMバイオロジクス(株)・シミックCMO(株)・神東塗料(株)・田辺三菱製薬工場(株)・中外製薬工業(株)・デンカ(株)・(株)ワールドインテック