研究内容
糖鎖修飾アジュバントを用いた感染症ワクチン・がん免疫療法の開発
ペプチド抗原・糖鎖ナノアジュバント一体化型ナノワクチンによるがん免疫療法の開発
がん免疫療法は、抗がん剤などの細胞傷害性薬剤に依存せず、患者自身の免疫機能を活性化してがんを排除する治療法です。現在の標準治療 (外科手術・放射線治療・化学療法) は高い有効性が確立されている一方で、治療侵襲性の高さや再発・転移のリスク、長期的な有害事象など、多くの課題が残されています。近年、こうした限界を補う「第四の治療法」として、免疫療法が注目を集めています。中でも、抗 PD-1 抗体(オプジーボ)に代表される免疫チェックポイント阻害薬は、がん免疫療法に大きな進展をもたらしました。しかし、依然として治療奏効率の低さが課題とされています。
そこで私たちは、ペプチド抗原とナノ粒子型糖鎖アジュバントを一体化したナノワクチンを開発し、免疫チェックポイント阻害薬と併用することにより、がん免疫治療効果を向上できることを明らかにしました (東京科学大・諸石研究室、カリフォルニア大学サンディエゴ校・Carson研究室との共同研究)。現在、このナノワクチンの改良を進めており、さらに強力ながん免疫療法の確立を目指した研究を推進しています。
図. ペプチド一体型糖鎖ナノアジュバントと抗PD-1抗体の併用療法によるがん治療実験時のマウス生存率のグラフ (赤色のグラフが併用時)
<関連論文>
- Niimura M., et al., Harnessing an integrated glyco-nanovaccine technology for enhanced cancer immunotherapy.
Commun. Med. 5, 378 (2025)
doi.org/10.1038/s43856-025-01102-3 - Harada N., et al., Peptide Modulation Overrides Glycan Synergy in Gold Nanoparticle-Based Vaccines for Cancer Immunotherapy.
Cancer Med. 14(19), e71286 (2025)
doi.org/10.1002/cam4.71286